行き当たりばったり路線バス旅行を沖縄本島で楽しんでいた折、突然の土砂降りに何となく嫌気がさし、近くに喫茶店のある停留所で下車した事がありました。
コーヒーをいただきながらマスターの話を聞いていると、すごそこからローカルフェリーが出る由。
「(雨も小降りになってきたし)じゃ乗船してみよっか」
これが、地元の人が“人類発祥の地”と崇め信頼する
久高島との出会いでした。
学校帰りのティーン達。定員いっぱい二台の車を載せた船は島へ。
夕食は、港の食堂で海ヘビの汁・泡盛などなど。
そして夜が訪れます。
民宿の縁側をあてがわれ就寝したのですが、日頃の快眠なんのその、眠れません。
まん前の庭に降り立ち、そのままプラプラ周辺を散策。
この時点でまだ
久高島のなんたるかは知りませんでした。
ただ、うようよ何かいる感じはする。
霊感が薄くお墓に行っても事故現場でも何も感じないタイプなので、限りなく初体験です。
ひしひしと綿で包まれる感じで深夜の集落をトボトボ。
怖さはナシ。見知らぬ路地へ入ってゆく事を朗らかに歓迎されている印象。
温まった感じで宿へ帰ると、今度はビックリするくらい深く眠れました。
翌朝、宿のおばちゃんへ経過報告。
すると開口一番、「ハイ、みなさん『不思議なくらい気持ち良く眠れた』とおっしゃるんですよ」。
一人一人にはマジックでもおばちゃんにとっては茶飯事のようです。
目に見えない世界の片鱗に触れた気分で港へ。
岸壁には、
ノロ(女司祭)の運転するワゴン車で送迎され礼を述べているご婦人もいました。
フェリーに乗り込み、高校生達の熱気に押し出される形でデッキへ移動。
洋上に出ると、島の背後より朝陽の登る光景が広がります。
カメラを向けアレコレやっていると、いつの間にか先ほどのご婦人が現れキラキラお目目で島ウオッチ。
それにも飽きたであろう頃、突然私の方に顔を向け「人類発祥の地なんです!」。
一途な感じでフザけている様子はまったくありません。
「なるほど」
昨夜来のことを了解しました。
私がただ何も知らず島へ渡ってしまっただけのこと。
鷹揚な神でらっしゃるようです。
「なんとなくの訪問でもいいさ〜」と ^^
白手袋の運転手+黒塗りのリムジンが迎えに来ていたご婦人に軽く会釈し、本島最南部に向けたバス旅を再会しました。